全力投球で、週明けから長くなりました。

 

誠にあいすみませんが、ご多用中の皆様は適当に細かく分けるなどしていい塩梅にご覧下さい。

 

木曜記事はあっさり仕上げます。

 

では記事へ。

 

 

《祭る男》

 

冬至も過ぎイブも過ぎ、いよいよ晴れやかにクリスマス到来。

この日を以て、ひょっとこ祭も最終回。
そんな訳で、クリスマスイベントの総元締的存在について書かせて頂くことにする。

 

「夜勤明けです。ヤッホー!」


何の宗教にも属さない“無党派層”からは、イエスや釈迦を大幅に超える支持を集めるんじゃないかと思われるこの存在。

サンタクロースの元になったのは、古代ローマ帝国の辺境(現在のトルコ)で活動した、聖ニコラウスと呼ばれるキリスト教の一聖人であったと伝えられている。

サンタ伝説は、裕福な家に生まれ何不自由なく育ったニコラウス少年が、流行病で両親を亡くし、財産を処分して旅に出ようとしていた時、同じ町に住む貧しい家の娘が持参金が無いばかりに嫁に行けないと知る所から始まる。

それなら僕のお金を使いなよと、金貨をその家にそっと投げ込むニコラウス。

 


娘が3人居た為に、お金を放るのも3回になった。
この辺はおとぎ話あるあるのくり返しパターンになっている。

そして最後の最後で恩人の正体を突き止めようと張っていたその家の父親に正体を見られ、感動の一幕となる。

ここから尾ひれはひれついて、ニコラウス凄いぜ伝説が徐々に増えていく。

 


摩訶不思議な奇跡連発エピソードとか、実は何人も居る説とか雪だるま式に膨れ上がり、やがて冬を擬人化した「冬おじさん」の民間伝承と混ざって、世に知られるサンタクロースのイメージが形作られて行った。

日本には冬将軍が居るし、冬とおじさんは何故か親和性が高い。

冬将軍に優しいイメージが無い様に、サンタも現在の「景気いい好々爺」像と違い、もっとシビアな存在として知られていた時期がある。

プレゼントをあげるのは良い行いをして来た子にだけで、我が侭や意地悪、悪戯ばかりして来た子には石炭ジャガイモの皮をくれ、どうしようもなく悪い子はサンタが攫っていったと言う伝承がある。

 

どこがMerryなのだろう。

限りなくナマハゲに近い仕事内容。

 

実際クランプスと呼ばれる裏サンタ的な西洋ナマハゲをお共に連れて「ご褒美係」「お叱り係」のコンビ活動をする祭も存在する。

 

地域ごとにサンタ仕事も色々である。

 


ともあれ、メインはやはり「素敵な物をくれる」活動。

今はすっかり、赤色イメージのサンタ衣装であるが、かつては大分服装自由な職業であり、中でも緑が良く着られていた。

からの、

 

そのことを意識に浮かべた瞬間、ある存在のイメージが浮かび、「あ!」となった。

 


この存在が着ているジャケットはテレビ版の初期は、そして人気が出て一気にブレイクしたのはに変わってからと言われている。

 

変幻自在な怪盗にふさわしく、時に応じてジャケットもピンクなど色々変わったりするが、印象深いのはやはり

 


「素敵な物をくれる」仕事のサンタの真逆を行く「素敵なものを盗む仕事。

サンタ・ルパン・サンタ・ルパン・サンタ…と、双方が点滅し、一気に気づきが来た。
 
彼らはを補い合っている。

人間意識は兎角、得ることを喜び、失うことは喜ばない。


祝われざる「失い」が歪んで、奪われなければ失えないとまでややこしくなり「盗む」と言う仕事が発生した。

 


この盗む仕事を、多くの観客に愛されながら実行しているのがルパン三世なのだ。

喝采を受けて盗む。

 

通常あり得ない出来事である。

 


ルパン仕事をチェックして、それが如何にサンタ仕事の裏をかく内容かに驚かされた。

サンタは真っ赤な薔薇の唇に優しく抱きしめてとねだられたりしないし、
 
淋しく愛の在りかを問いかけたりしないし、
 
男の美学から背中で泣いたりしない。
 


聖人ニコラウス発祥であるサンタには、およそ出来っこない仕事をまとめてルパンが請け負っている。


裏サンタが日本にも居たとは驚きだ。

 

“男には自分の世界がある

たとえるなら空をかけるひとすじの流れ星”

 

エ門とか次元とか、泥棒にしちゃ何かとスペイシーな情報が満載な彼達。
 
『ルパンと霊性』については鬼が笑っちゃう2018で、より丁寧に読み解いていくことにする。

 

お知らせする必要を、さんざ上から言われてきたテーマ「男の母性について、ルパンと言う端末も重要な一役を担っているからだ。

サンタ&ルパン。

 


彼らから学べることは、生も滅も物理次元には不可欠であるということ。


全てのいのちエネルギーは毎瞬虚空に還り、そして虚空から新生している。

全母である虚空から生みなされているNEWな存在
それが生滅を恐れる理由など無い。
 


サンタとルパンは万物の生滅を自然に促す、祭る男達。

 

男性性を担当する分割意識が本来果たす仕事を、体現してくれている。

クリスマスを奉る働きがまさか泥棒で締めくくられるとは思わなかったが、ルパンもどこに出しても恥ずかしくないひょっとこであるし、これはこれで良い。
 


サンタは元気いっぱいで配り、
ルパンは元気いっぱいで持ち去る。


得ることも失うことも恐れぬ時、真の自由がそこにある。


彼らの働きに感謝しつつクリスマスと言うこの良き日を、得失を超えた純粋なる歓びを以てお過ごし頂くこと。

 

そうあれば、サンタもルパンも真に喜ぶのではないかと思う。

 

 

全力祭をご覧頂きありがとうございました。

 

素敵なクリスマスをお過ごし下さい。

(2017/12/25)