《恋の予感》

 

そうそうここまで驚くこともなくなっているのだが、余りに唖然となる。

そんな機会があり、ちょっとポカンとなっていた折に出会った気づきを、本日記事ではご紹介申し上げる。

宮司がビックリしていたのは不覚社会に蔓延する、集団を支配し主導権を求める執着のしつこさ

そしてその執着が、「求められなさ(必要とされないことへの無力感)に起因している場合がある。

そのことにもビックリしていた。

 


完全にその驚き意識を向けていたので、上から聴こえて来た音楽の

“なぜ なぜ あなたは…”

の、フレーズをてっきり戯れ言と勘違いし「今、そんなのに構ってられない」と追っ払った。

一応申し上げると、その瞬間までこの曲について微塵も意識を向けていなかった。

「昔の恋の曲で、聴いたことはある程度」

 


そんな存在で、本当に何の脈絡も無く降って来た。

冒頭の唖然情報に、「ここまで歪んでるってどう言うことだ」と真剣に意識を向けている最中で、何故この一大事恋の歌なんぞ持って来たのかが分からない。

「今、恋だの、そんなフワッフワしてる場合じゃねぇんだよ!」
 


 鬼、と言うか鬼瓦みたいな形相を作って向けてみたが、止まずに繰り返し聴こえて来る

「んも〜」

 

と仕方なしに検索して聴いてみて、又、全然違う意味で唖然となった。

唖然だらけである。

 


 “なぜ なぜ あなたは きれいになりたいの?”

どうして綺麗他より恵まれた状態ありたがるのか。


“その目を誰もが見つめてくれないの”は当たり前なのだ。

一対の目が、一度に大勢の目を見つめることは出来ない。

 


視線を集め浴びたがる事に意味はない。

夜(不覚の無明)は、気ままにあなたと言う意識を振り回し、踊らせるだけ。


恋の予感が只駆け抜けるだけ、決して一体とはならない。

“なぜ なぜ あなたは 「好きだ」と言えないの?”

何故欲しがるばかりで、自らの意志表明出来ないのか。


世間の風は気まぐれで、あなたである意識を惑わせるだけ。

こそは幸せになれるかもしれない」


これさえ手に入れれば幸せになれるかも知れない」

 

この人となら幸せになれるかも知れない」

 

そんな風に


“誰かを待っても どんなに待っても”


同じことだ。

幾つもの希望と言う星の間を、彷徨い流されるだけ。
不覚のの続きを見せられるだけ。

気まぐれな風に付き合っていつまで、惑い続けるの?
恋は実体なく、あるのはいつも予感だけなのに。

恐れ入った。

 

何者だよ。

恋に酔うどころか、

恋の独りよがりな

身勝手さを
粉砕する様な歌

だった。
 
さっきまでの無理解を詫びての動きだろうか。


何でか手真似で、有りもしないキャップを頭から取って、高校球児の様に一礼した。
 

エアー脱帽。


叱るでなく、

問いかけで、

甘く切なく、

木っ端微塵。

やっぱ何者だよ。

余りの見事さに思わずこっちも問いかけて見たが、既に答は出ている

詞を降ろす瞬間、何者でもない者となれる、稀代のチャネラーだからこそ出来た仕事である。

恋の予感はまるで砂漠の逃げ水

追いかけても、その気配がするのみで、何処にも何にも辿り着くことはない。

 


尊敬を恋うても、情愛を恋うても、足らぬと乞うなら全て同じこと。

に縋らず、わずわれず、
一人静かに、無明を超えること。

でなければ夜は明けないと、『恋の予感』は教えてくれるのだ。

 

無明を歌で描く神々。

(2018/8/20)