《Honeysuckle Rose》

 

Every honey bee fills with jealousy

ミツバチ達はみんな焼きもちを焼くよね

 

When they see you out with me

君が僕と一緒に居るとさ

 

 

でも仕方ないよ

君は僕に甘い蜜をくれるから 

ハニーサックル・ローズ

 

どんな花だって 君が通れば

俯いて溜め息

理由は分かりきってる

君は彼らより甘くて素敵だから

 

砂糖を買いに行かなくたって

君がカップに触れるだけで甘くなるよ

僕のお砂糖

紅茶をかき混ぜてくれるだけで十分

 

その素敵な唇にキスすれば

混じり気なしの蜂蜜みたいな甘い味

まるでお菓子みたい

 

神様だけが知ってる 

君は僕のハニーサックル・ローズ
 

 

しみじみ歌詞を眺めてびっくりした。

 

 

遥か昔の言い回しだが正に、こうとしか言い様がない。 
 
ハニーサックルは丁度この時期、5月頃に咲く花である。

吸いたくなる甘い蜜があると言うことで、和名は吸い葛。


スイカズラの読みだけ残して、葉が冬でも青々と美しい為に「忍冬」の字を当てたりと、日本でも古くから愛されて来た。

 


花が咲き始めは白く、次第に黄色に変化するので「金銀花」と言う、これまた詩的な名も持っている。

薔薇に花を咲かせるが、5月は丁度、春薔薇の最も美しい時期。

甘い香りと、鮮やかな色彩。

 


ハニーサックル・ローズは吸い葛薔薇の両方を合わせた、良いとこ取りな名前。

まるで春から夏に移り変わる5月の甘美さを一身に込めた、女神の様な恋人である。

そりゃシュガーだし触れた端から甘くもなるわと、感心していて不意にパタパタパタとパネルの色が変わる様に、この曲の奥底にある美しいメッセージへの気づきが来た。

 

白が飛び込んだ!


この曲、「吸う」とか「蜜」とかの散りばめワードから、実は大変セクシーな曲であると言う話がある。

その為、専らレディーが歌うもので、男性が歌うと「えげつなく」なるとも。

だが、セクシー云々の“裏っぽい張り紙”をめくると、更にその奥がある。

話が逸れるが、曲を作ったファッツ・ウォーラーが歌ったものは、セクシーと言うより、小粋で洒落ていて面白い

面白ポイントは色々有るが、殊に。何せ彼の写真を探した所、

八割が変顔。


ファッツの渾名のとおり大食漢で、食事代の代わりに名曲を進呈したと言うエピソードもある。

日本の有名な言い伝え、貼り絵おむすびが交換出来るあの話を思い出した。

 

まぁ、おむすびは後世の創作として、湯水のごとく才が溢れる端末は目が覚めていなくとも、表層の不覚価値観で計れないゴキゲンな動きをすることがある。

ファッツも、疑いなく天才だった。
この曲にしても、作詞のアンディ・ラザフから詩を聞いて、直ぐに曲を付けてしまったそうである。

 


彼の別の代表曲「浮気はやめた」など、45分で出来たと言われている。


ケーキやパイを作るのだって、もうちょっとかかるのじゃないだろうか。

空っぽの筒と化して、から素直に情報を受け取る竹輪仕事で鳴らした端末と言える。

只、大量の美酒と美食でその竹輪力を維持していたこともあり、39年と言う不覚的に見てもあっという間の相当巻いた進行で世を去られた。

だが、生前積み上げたこの変顔コレクションのお陰か、早世してんのに不思議と悲壮感はない。

 

 
逸れた話を戻す。
セクシー等の、不覚的に「深い」と見なしている程度の領域を抜けて、その奥を見つめると、表層のイチャイチャではない、凄いことが分かって来る。

彼女が居ればそれだけで全てが甘やかになり、出かけて砂糖を手に入れる必要がない。

これは取りも直さず、

真価を発揮した御神体から湧き出るいのちエネルギーが有れば、

 

不覚ゲーム勝ち負け興奮と言う蜜の味を集める必要がない。

ことを意味する。
 


 蜂はせっせと外の花々から蜜を集める。


女王の為に働き、外敵と闘い、蜜を巣に貯め込んで、幼虫を育てる。
育って成虫になった蜂が又、蜜を集める

こうした得たり失ったり、減ったり増えたりするゲームは、虫や魚、鳥や獣が謳歌するものだ。

人も、不覚の経験集めきるまではそれに加わっていたが、ずっとそこに留まる必要はないし、又、出来もしない
 


だからこその2018で世を覆うこの閉塞感である。

人類全体でもう不覚体験は、集めきった。

後は、愛しい伴侶である御神体が、無から至福を生み出すハニーサックル・ローズと成る様に、分神として変容するのみ。

そのことをこの愛らしい洒落た曲は、流れる数分の中に明るい空気と晴れ晴れした風を連れ、人々に知らせてくれているのである。

 

調達より放出。

 

(2018/5/14)