《盛り上がる

 

先日、ファッションの「レス化」が進んでいると言うニュースを目にした時のこと。

 

レスとは何かがないこと、つまりはと言うことになるが、それが目に見えるかたちで現れていることの面白さ感心した。

 

記事に登場したレスは、ジェンダーレス、エイジレス、そしてシーズンレス。

 

これらのレスが、それまで世の中にあった境界を薄くし始めていると言う。

 

 

性別を問わない「ジェンダーレス」の例として、男性用の商品に繊細な花柄や、従来は女性らしいとされて来た素材を取り入れているものが紹介されていた。

 

そこで「あれ何だっけ?」浮かんだのが、70年代に一部の女性と共に男性も好んで着ていたサイケデリックかつカラフルだったり、花など自然物をデザインに取り込んだ服装である。

 

「確かチューリップハットとか、そんなのも無かったろうか」

 

お花の帽子とか、現代女性も多くはトライしていなさそうなメルヘン仕様である。

 

 

調べてみたら確かにそうしたものが存在し、ジェンダーレスに関しては今回の流れと言うことも特になさそうだが、この度は自然回帰より女性性が注目されている。

 

花柄を全体にあしらったレースシャツが上品な透け感を演出したり、女性用の服によく使われるラメ糸を織り込んだ華やかな生地を採用したりしているらしい。

 

そう言えば、女性側はボーイッシュな装いとして、いち早く男性性に寄っているファッションスタイルを持っている。

 

ブランドを統括する経営者の話によれば、フェミニンな服を求める男性が増えたことで、ジェンダーレスを強調する必要ないほど男女の境界が薄れているそうだ。

 

 

経営者からのメッセージなので、そこには「一般的になりつつありますから、買って下さいよろしく」の意図も盛り込まれているかも知れないが、事実としてそこに挙げていた、異性のパートナーと服を共有する人も多いと言う情報に、成程となった。

 

3つのレスのうちシーズンレスも、手持ちの選択肢を増やす目的を含めて、流行り出したレスだったからだ。

 

地球温暖化が進んでいる状況や、時期によって朝晩と日中に寒暖差が生じる地域の特性に過ごし易く対応する工夫として生まれた、季節に関係なく着られる「シーズンレス」。

 

体温調整しやすい羽織りものなど重ね着し易いアイテムに着目し、「春」「秋」ものと分けられていた服を年中着用可能なものにする試みが行われているそうだ。

 

 

そこには、趣味にお金をかける人が増え、服への支出が減っている近年の傾向が影響していると言う。

 

「モノより思い出。」と言うキャッチコピーや、「コト消費」などの名称にも見られる様に、所有より体験の価値を重視する流れは以前からあった。

 

価値観の変化と同時に、物価高と世界情勢への不安によって、人々の中で「衣服に関してはこの位にしようと言う予算」が減少傾向にあることも関係している様に感じる。

 

「自分の豊かさを意識して」「優雅な気持ちで」「使ったら入って来る」と言った姿勢を勧めて、余裕を得ようとする流行りもあった気がするが、その逆を行く様なシンプルと汎用性への志向が結果として意識が作った境界を緩めることに一役買うこともあると言うのは、興味深い事実ではないだろうか。

 

次回もレスについて。

(2026/5/25)