《消化と味わい》
食べ物を味わう時、十分に噛むことは必要となる。
この咀嚼が、スムーズな消化を促す。
落ち着いて味わうことと、消化を自然にすることは密接に関わり合っている。
これについては多くの方が「そりゃそうだ」となるのじゃないだろうか。
ご承知の通り、これは今この時を味わうことについても、全く同じである。
「さっさと食事を済ませて、仕事に戻ろう」
「食べながらゲームを続けよう」
「早く片付けないと、出かける時間が来ちゃう」
こう言う時の食事が「あれ何食べたっけ?」と曖昧な、ぼんやりした印象になる様に、日々訪れる新しい瞬間も、
来るべき望ましい時に向かう前座
みたいな扱いにしていると、単なる待ち時間として飲み下されて処理される。
そこに味わいの広がる余地は、生まれ難い。
今を味わおうと言う余裕が出てくる時、落ち着いて食事を味わうことも無駄に感じなくなって来るだろう。
様々な味わいは、全て連動しているからだ。
生活の場に何もない空間を現すことは、「今」と言う一皿を味わい易くする。
綺麗に洗って丁寧に拭かれた皿を、用意する様なものだ。
何が置かれても、すっきりと映える。
訪れた瞬間を味わい、無条件で感謝する時、消化されて同時に昇華も起こる。
消化不良の繰り返しが止み、昇華した天意からの愛が虚空に還る。
虚空からは絶えず真新しい天意が送られ、それはまた人型生命体によって愛として表現されるのだ。