《からから

 

前回記事にて取り上げた日本国語大辞典の「ちから」と言う項目には、その意味を説明した後に、語源説に関する記述が以下の様に続いている。

 

(1)スヂカラ(筋幹)の義。スチカラ(筋体)の義。

 

(2)チカラ(血殻)の義。

 

(3)力は壮年になって強くなるところから、ノチ(後)カラの義か。

 

(4)チカラ(霊因)の義で、もとは霊力をいったところから。

 

何だかかなりバラバラな感じ。

 

いきなり分岐して流れ出したチカラを追いかけて、この他に語源辞典を調べてみた。

 

同じく平成中期に小学館から出された日本語語源大辞典では、上記の内容と被る部分が多かったが、それ以外に

 

“体力・気力の源泉と考えられたチ(血)と、イへガラ(家柄)・ウガラ(族)など系統の意のカラとの複合か。”

 

 

と言う、岩波古語辞典から引用された解説を見ることが出来た

 

又、その後に続く[参考]と書かれた部分には、

 

チはチ(霊・血)が考えられるか。カラはカラ(幹)、カラ(殻)、コロ(みごろのコロ)などと同源の本体・中心を表す意のカラを考えることも可能か。

 

とあった。

 

頭にスやノがついてスチカラノチカラとなっていたりする説もあるが、分けるなら

 

カラの間で。

 

と言うのは共通している。昭和末期に現代出版から出された日本語語源辞典には

 

ちから【力】(名)

 

血幹」チは労働・体力の根源となる血液、カラは幹・柄で備わった性格。体に備わったそのものの体力のこと。

 

と書かれてあった。つまりについては、

 

血殻

血幹

 

両方あることが分かる

 

ちからに霊因の字を当てる時には、霊をと読むことになるが

 

霊殻

霊幹 

 

見つからなかった

 

カラと読むなら血因だってあり得そうだが、これも見つからなかった

 

スヂスチになる

 

筋幹

筋体

 

については二字のどちらも目に見える具体的なモノであり、霊因の様な目に見えぬモノの作用を表した字とはかけ離れている。

 

当てられる字がこれ程様々になるとは、やはりちからとても面白い

 

いずれにせよ、チなるものがカラを通して起こす動きであることは共通している気づいた

 

前回記事にて、ちからについて“何にでも含まれるが、何にも縛られない。”と申し上げた。

 

先程挙げた[参考]の部分を、もう一度挙げてみる。

 

チはチ(霊・血)が考えられるか。カラはカラ(幹)、カラ(殻)、コロ(みごろのコロ)などと同源の本体・中心を表す意のカラを考えることも可能か。

 

と書いてあった。

 

何にでも含まれるが、何にも縛られないチカラのチは、イノチのチと言える。

 

そして何にでも含まれるが、何にも縛られないチカラカラは、本体・中心を表す意のカラ

 

それはからであり、つまりくうなのだ。 

 

からからいのち

 

これが力の本質である。

 

そしてこの本質理解した上で、ちからの表れについて欠かすことの出来ない大事な点がある。

 

次回はそのことについて書かせて頂く

 

くうなるからからる、いのちかがやくちから。

(2024/1/18)