《かけてもひいても》

 

「みんなを引っ張って行って下さい」

 

「駆け引き次第でどうにかなるかも」

 

「引き際が肝心ですね」

 

「押してもダメなら引いてみな」

 

こんな感じで、賑やかな不覚社会は様々な場面で「引く動き」を多く使う。

 

 

駆け引きの「ひき」は、「退き」の意味を持ち、戦場で、時機を見計らって兵を進めたり退 いたりする動きを示した。

 

何だってそんなことをするのかと言えば、戦場に相応しく、勝つ為である。

 

商売や交渉・会議と言った活動を「戦い」と見なす時、

 

相手の出方や状況に応じて自分に有利になるように処置すること

 

 

これも、駆け引きとなる。

 

自分に、有利に?」

 

と首を捻っていて気づいた

 

つまり自他に、価値のがあること。

 

そして利の基準がはっきりしていること。

 

 

更に、

 

全体から分けた特定の一部が、利を得ようとする意図

 

これが、駆け引きには必要になる。

 

どれもエゴがあって初めて出来ることである。

 

全体一つの流れは、方向としてエゴありきの動きから離れ続けているので、駆け引きすることもどんどん難しくなって行っている。

 

難しいことを粘って実現しようとするので、心身に負担がかかる

 

 

そして、それぞれ求める方向がバラバラな意図を、各自手元に引き寄せようとしているので、こんがらかり易い

 

力いっぱい引いた先に待っているのは意図の千切れか、もしくはへとへとになった状態。

 

強引に引っ張ることが出来た場合も、引っ張られた側の恨みを買うので、しわ寄せが来る。

 

引っ張ればその分、何処かがたるむのだ。

 

どこにも意図伸ばさず静かに独り立時、全方位に力が満ちて来る

 

かけてもひいても、元は0。

(2025/5/15)